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FX取引の利益は申告が必要

今回はFX取引をしている方は絶対に知っておくべき税金の仕組みと確定申告の提出に関してまとめていきます。
確定申告にかかわる基本的な事項
-そもそも何のために行うのか
確定申告という言葉は聞いたことがあるけどキチンと理解していない人は案外多いです。まずは確定申告の基本をおさえましょう。
国は国民や企業が支払う税金によって公共事業を行ったり、社会保険制度を成り立たせています。
そんな財源となる税金は私たちの生活のあらゆるところで発生します。一番身近なのは消費税でしょうが、FX取引のような取り組みを通して得た利益に対しては所得税というものがかかります。
確定申告を正確に行うことで、本来その人から徴収するべき税額と実際に徴収した税額とが一致しているかを比較することができます。
人によっては還付という形でお金が返ってくることもあります。
-対象期間
対象となるのは毎年1月1日から12月31日にかけての期間に発生した所得です。
-申告時期
申告時期は毎年2月中旬~3月中旬となっています。
ちなみに2019年分を申告する来年2020年は、2月17日~3月16日の間が申告期間となっています。
対象
FX投資を行って得た利益に対して確定申告をする際には人によって申告の必要性の有無が異なります。
ここでは「給与所得者」「扶養者」「個人事業主」の3パターンに分けて説明していきます。
-給与所得者
<年間の給与所得が2,000万円をこえる人>
年間の給与所得が2,000万円をこえる人は、FXで得た利益額にかかわらず確定申告が必要となります。
<各種所得が合計20万円をこえる人>
年間の給与所得が2,000万円以下で、給与所得および退職所得など所得合計が20万円をこえる人も確定申告が必要です。
<年間利益が20万円以下の人>
上記2つのパターンに当てはまらずに、利益が年間通じて20万円以下の人は確定申告を行う義務は発生しません。
-扶養者
<年間の所得額が38万円をこえる人>
扶養者(専業主婦、学生、引退後の人)に関しては、年間の所得額が38万円をこえるかどうかが確定申告が必要かどうかを分ける基準になります。
-個人事業主
個人事業主はそもそも確定申告が必要なため必ず申告はしてください。
ただし、FXがメインの事業なのかどうかで所得区分が事業所得になるのか雑所得になるのか変わります。それによって申告の方法も変わるので自分がどちらに当てはまるか、専門家に相談をするのがおすすめです。
FXの確定申告に当てはまる重要な5つのポイント
ここからはFX投資の確定申告ならではの5つのポイントを紹介していきます。
-税率は一律で20.315%
利益に対して課税されるわけですが、かかってくる税率は利益額にかかわらず一律で20.315%です。
内訳としては、所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%となっています。
-スワップポイントも含めた利益が課税対象
取引において獲得した利益に加えてスワップポイントで獲得した利益も課税対象になります。
-決済していないものは含まれない
決済をしていないポジションに関しては含み益であろうと含み損であろうと課税対象とはなりません。
あくまでも決済によって利益が確定しているものだけが課税対象です。
-クレジットボーナスは利益に含まれない
XMにはクレジットボーナスという形で初回口座登録時、追加証拠金入金時、XMPという3つのボーナスを獲得できるチャンスがあります。
こちらのクレジットボーナスは取引に使う分には良いのですが、現金として引き出すことはできません。
したがってボーナス分は課税対象とはなりません。
-絶対に確定申告はした方が得
5つ目にして最も大切なポイントですが、FX取引における確定申告は絶対にしておいた方が良いです。
「人によっては申告が不要なんだし、面倒な手続きをするくらいなら申告しなくて済む方が良いのでは?」と疑問に思う方もいるでしょうが、その理由は「繰越控除」という仕組みにあります。
より詳しい解説は後述しますが、簡単に言うと損失を3年間は持ち越して利益と相殺できる仕組みのことです。
取引をしていく中で去年は利益がマイナスだったけど、次の年にいきなり100万円利益が出たなんていうことはざらにあるでしょう。その時に確定申告をしておいた方がはるかにメリットがあります。
節税対策しよう

次にFXにおける節税対策について解説していきます。
課税の仕組み
まずは節税対策という意味が分からない方のために簡単に課税の仕組みを説明します。
所得に対してかかる税金というのは最終的な利益のみを対象としています。
例えば、計算をしてみてその年の利益が10万円だったらそこに税率20.315%をかけて20,315円の税金を納める必要があるという計算になりますが、一方で利益が出ずに最終的にマイナスになってしまった場合や、あるいは±0だった場合は税率をかける利益がないため課税対象とはなりません。
これは非常に重要なポイントですから、頭に叩き込んでおきましょう。
FXの節税対策3選
FXには絶対に知っておくべき3つの節税対策があります。
これを知らずして余分に税金を払っているのであれば大変な損ですので、税金を喜んで払いますという人以外はチェックしてください。
-他の取引との損益通算が可能
1つ目は「他の取引との損益通算が可能」ということです。こ
れはどういうことかと言えば、FX以外に日経225やCFD取引など他の先物取引による雑所得を受けていた場合に、その運用成績を合算して計算することができるという仕組みです。
具体的には
- FX投資で30万円の利益
- 他の先物取引で30万円の損失
という結果だったらこれらを相殺して、最終的には±0で課税されないという仕組みにできるわけです。
他にも
- FX投資で30万円の利益
- 他の先物取引で15万円の損失
というケースであれば、15万円の最終利益に対して20.315%がかけられるという計算になります。
損失が出ていれば全体で課税対象となる利益をおさえることができます。ただし、株式での売買益との通算はできないため注意が必要です。
-3年間の損失繰越控除が可能
「FXの確定申告に当てはまる重要な5つのポイント」の5つ目で、絶対に確定申告はした方が得と紹介をしましたが、その理由がこの「失繰越控除可能」だからに他なりません。
どういうことかイメージが湧きにくい方もいるでしょうから具体例を用いて解説します。
しつこいようですが、課税されるのはあくまでも最終的な利益に対してです。そこで単年の成績がマイナス100万円になったとして、次年度は30万円の利益、またその翌年は50万円の利益、さらに翌年は10万円の利益が出たとします。
- 1年目:マイナス100万円→納税なし
- 2年目:30万円の利益→60,945円納税
- 3年目:50万円の利益→101,575円納税
- 4年目:10万円の利益→20,315円納税
すると、上記のように税額がかかってくると思われがちですが、実はここにカラクリがあります。
実際には下記のようになります。
- 1年目:マイナス100万円→納税なし
- 2年目:30万円の利益→納税なし
- 3年目:50万円の利益→納税なし
- 4年目:10万円の利益→納税なし
どういうこと?と驚かれた方のためにカラクリを明かしますと、実はFX取引において被った損失金額を単年で控除しきれなかった場合、その損失分を最大で3年先まで利益の相殺に充てることができる「損失繰越控除」という仕組みが存在します。
先ほどの例をより詳しく見ていくと、
- 1年目:マイナス100万円→納税なし
- 2年目:30万円の利益→納税なし(前年と相殺でまだマイナス70万円の損失)
- 3年目:50万円の利益→納税なし(前年と相殺でまだマイナス20万円の損失)
- 4年目:10万円の利益→納税なし(前年と相殺でまだマイナス10万円の損失)
という計算が行われていました。では、5年目に10万円の利益が出た場合はどうなるでしょうか?答えは、20,315円の納税が必要です。
なぜなら「損失繰越控除」が効くのは最大で損失が控除しきれなかった翌年以降3年までだからです。
そして、この「損失繰越控除」は損失を被った年に確定申告を行い、以後継続的に確定申告を行わないと効果が発揮されません。
そのため、損失が出ても利益額が申告の必要な額まで至らなかったとしても申告をしておいた方が絶対にお得なのです。
-経費計上ができる
節税対策の3つ目は、経費計上ができるということです。
口酸っぱいようですが、課税されるのはあくまでも利益です。
例えば、FXの勉強をするためにセミナーに行ったり、通信費、入出金の手数料などが発生した場合、FXにかかわるものと認められればそれが経費として計上されます。
すると、取引から得た利益は20万円だったとしても、経費として認められるものが10万円あれば、20万円ー10万円で最終的に課税されるのは、10万円だけとなり、20,315円の納税で済んでしまいます。
ただし、申告にあたって領収書が必要なので必ず大切に保管しておきましょう。
以上3つの節税対策を紹介しました。
脱税は絶対にダメですが、賢く節税をすることは大切なので今回あげた3つのポイントを意識していきましょう。
確定申告に必要なもの

確定申告をするうえで必要な書類は下記の4つになります。
それぞれについて解説していきます。
源泉徴収票
給与所得者であれば年末に会社からもらえる源泉徴収票があります。
確定申告時には大切書類ですから、もらったら大切に保管をしておきましょう。
年間取引報告書(年間損益報告書)
提出の義務はありませんが、より取引をスムーズにするうえでは重要な書類です。
発行方法に関しては「XM(XMTrading)の確定申告方法」にて後述します。
経費領収書
最終的な課税対象額を抑えて賢く節税をするためには領収書がなければいけません。
すべてが認められるわけではありませんが、キチンと証拠を取っておけば少なくとも申告時に経費として申請はできますので、大切にとっておきましょう。
後々の処理をスムーズにするためにも勘定科目ごとに分けておくなど、常に整頓しておくことをおすすめします。
各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除)
領収書と同じく経費ではありませんが、控除対象として認められるものがあります。特に民間の保険に入っている方などは、その分を控除額として申請できますので忘れないようにしましょう。
この中でも特に意識をしていくべきものは「経費領収書」「各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除)」です。
日ごろの管理をしっかりしておくことでいざ確定申告をする際にも楽になりますので、自分を助ける意味でも意識して保管するようにしましょう。
XM(XMTrading)の確定申告方法

ここではXMにおける確定申告方法を解説していきます。
ステップ1 必要書類を集める
先ずは「確定申告に必要なもの」でも紹介をした、必要書類を集めましょう。
特に「経費領収書」「各種控除証明書(社会保険料控除・医療費控除)」に関してはバカにならないので、キチンと保管しておく習慣をつけるのがポイントです。確定申告前に慌てて探すことが無いようにしましょう。
ステップ2 取引ツールから年間の運用成績を出す
XMの運用ツールで口座履歴からレポートを出すことができます。
期間を1月1日から12月31日として、レポートを出します。
外貨建て口座を使っている場合は取引ごとにその日の為替レートで計算をする必要があるため、少々処理が複雑になります。
ステップ3 国税庁のホームページより申告
現在は確定申告もWebで出来てしまいます。
国税庁のホームページからアクセスができますので、そちらからログインして必要な項目を入力していきます。
▼ここからアクセス
国税庁ホームページ
ステップ4 最寄りの税務署に提出
最後に入力したものを印刷して最寄りの税務署に持っていきます。
個人事業主などである程度お金に余裕があったり、面倒な手続きはしたくないという人は会計事務所や税理士事務所に依頼することで今紹介したようなステップのうち、ステップ3・4を代行してくれます。
まとめ

いかがでしたでしょうか。ここまでFX取引およびXMにおける税金・確定申告にまつわるテーマで解説してきました。
今まで全く意識をしていなかったという人は今日からでも意識的に領収書を集めるなど早速行動できることがありますので、まずは自分ができるところから始めてみてはいかがでしょうか。
確定申告は利益の有無にかかわらず、絶対に出しておいて損はありませんので、毎年忘れずに申告するようにしましょう。

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